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抗VEGF抗体療法

抗VEGF抗体療法のご案内です。

VEGFとは「血管内皮増殖因子」といい、網膜下におこる新生血管の原因となる物質で、加齢黄斑変性症の症状を悪化させる最大の要因です。新生血管は細くもろいため、すぐにやぶれて出血やむくみを起こしてしまいます。

抗VEGF抗体療法とは、このVEGFに対する抗体を目(硝子体)の中に注射することで、新生血管の増殖や成長を抑える治療法です。 滲出型加齢黄斑変性症に適応となります。

ルセンティス アイリーア

抗VEGF抗体療法の薬の種類

日本では、厚生労働省より平成20年と平成21年に抗VEGF抗体療法の治療薬「マクジェン」「ルセンティス」の使用許可を得て、平成24年には「アイリーア」が新たに発売されました。
これらの治療薬を目(硝子体)の中に注射します。

頻度は症状や程度によって異なります。
マクジェン…約6週ごとに投与。病的な状態と関りの強い特定のVEGFと結合し、その働きを阻害します。
ルセンティス…4週ごとに投与。全てのVEGFと結合し、それらの働きを抑えます。
アイリーア…導入期には1か月ごとに1回を連続3回、維持期には通常2カ月に1回投与。アバスチンというガン治療薬を改良したもので、結合力がルセンティスよりも強く、3つの中では効果が最も高いものになります。

抗VEGF抗体療法は、加齢黄斑変性症以外にも網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫などに対しても効果が認められています。

治療の流れ

1.事前に抗菌点眼薬

注射する3日前から抗菌点眼薬を使用します。

2.治療

眼球やその周りの皮膚を消毒後、麻酔をして目に薬を注射します。
薬や病気の状態によって注射の頻度や回数はさまざまですが、4週または6週ごとに、主に3回ほど注射をします。

3.注射後の抗菌点眼薬

注射後も抗菌点眼薬を3日間ほど使用します。
※新生血管の活動性がみられれば、再度注射を行います。

副作用

治療で最も注意することは、感染症です。それを防ぐためにも、注射前後は担当医の指示にしたがい、抗菌薬の点眼が必要になります。また、目をこすったりなどはお控えください。
他には、結膜下出血、目の痛み・かゆみ、眼圧の上昇、重篤なものになると網膜剥離や眼内炎などを引き起こす可能性もあります。
そのため、治療後に充血や目の痛みなどの症状がある場合には、ただちに眼科を受診してください。

行うことのメリット

加齢黄斑変性症の原因である新生血管の増殖や成長を抑えますので、ある程度の視力回復が期待できます。
以下、薬ごとの研究データとなります。

・マクジェン…1200人の患者に投与したところ、半数以上に視力の改善が見られ、その後患者の65%に視力の安定が確認されています。

・ルセンティス…1300人の患者に投与したところ、患者の30%に視力の著しい改善が見られ、90%の患者に顕著な視力悪化は見られず視力の安定が確認されています。

・アイリーア…2400人の患者に対して行った研究データでは、1か月ごとに1回、連続3回投与を行ったのち、2か月に1回の投与に頻度を落としても、ルセンティスを月1回投与した場合と同じ効果を得られることが分かりました。
アイリーアはルセンティスと同程度の視力の回復と安定が得られ、ルセンティスより注射の回数が少ないため、体への負担も少なく済みます。

どの薬にも言えますが、抗VEGF抗体療法は1回で良くなるわけではないので、経過を見ながら行っていきます。

注意点

約4週間に1回の頻度で3回ほど注射が必要になってきます。
保険が適応されますが、比較的治療費が高くなってきますので、「高額療養費制度」という制度がございます。下記をお読みください。

高額療養費制度について

高額療養費制度とは、高額な医療費による負担を軽くするために、医療費の一部負担額が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。
高額療養費の払い戻しを受けるには申請が必要です。

申請について

加入されている保険者に申請します。
・国民健康保険…市区町村の担当窓口。
・その他…加入している健康保険の窓口。(社会保険事務所、健康保険組合や共済組合など)
保険証に記載されていますので、ご確認ください。
まずは、どのように申請すればよいのかを問い合わせてみるところからはじめてください。
お客様の年齢・所得によって自己負担の限度額は異なります。

上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。

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